子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

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ベランダに机を出して、犬と妹とオヤツパーティーをした。こんなことでもなければしないようなことをしている時、どうしてもつらくてさみしくて叫び出したい気持ちになる。でも仕方がないからせめて少しでも楽しくオヤツを食べる工夫をする。鬱々とした毎日をいかに生き延びるか。そんなことばかり考えている。

 


うつくしい月だった。夜なら外に出るのも許される気がする。大昔に何かの付録で手に入れた望遠鏡を調節して、ちょっと良い画質で月の写真を撮れた。あとから見たらレンズの歪みのせいか満月が楕円形になっていた。誰も見ていなくても月は光る。誰のためにも存在しなくていいのがとても羨ましい。

 


見たい映画がたくさんある。今がサービスの加入時なんだろうと思うけどなんだか面倒くさい。バイクで20分かけてビデオ屋に行くより何倍も手軽なのに何故か行きたくてたまらない。一生かかっても見られないだろう数のDVDに囲まれて、ずっと迷っていたい。ずっとずっと何も決めたくない。