子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

2024/04/12

寄せては返す仕事の波に激しく揉まれているまさにその最中、自分に全く非のないことで激しく罵られてしばらく心が停止した。自分に責がなくても怒られるのは怖い。途中から心臓がドコドコいって、受話器を握りしめている手が冷たくなるのが分かった。声が震えないように気をつけるなんて久しぶりの感覚だった。怒りの火に油を注ぐのが上手い自覚があるので言葉には気をつけて、しかしどちらかといえばこちらに非があるので平謝りするしかなかった。謝って済むと思ってるんですかなんて初めて言われた。謝って済むとは思っていないが謝るしかないので済ませてもらうしかない。あと本当は謝って済むと少しだけ思っている。当時対応した人がその場にいたので一瞬代わってもらおうかと思うが、代わったところで謝るしかないので自分が矢面に立つ覚悟をする。

10分ほど怒り続けたらさすがに疲れたようで、私も申し訳ありません以外の言葉を探すのに疲れ、しばし双方黙り込む時間があった。なんとか言葉を繋いで今後の対策について反省とともに提案する。口に出した瞬間自分でも良いこと言ったなと思い、そして相手も一瞬納得したのが分かったのでそのまま畳み掛ける。なんとか大事にならず切電(ガチャ切り)。悪意を真正面からぶつけられてどっと疲れた。今後も関わることが確定している人間によくあそこまで怒るものだと感心すらした。

1日嫌な気持ちを引きずっていた。でも心の底から出た言葉で納得してもらえたことが思いのほか嬉しかった。一番最後の希望は捨てられず、コミュニケーションを信じている自分をまた少し好きになった。