子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

まぶたの奥で

気がついたら夏だった。 肌にじっとりまとわりつくような暑さで、蝉の声が遠くで聞こえている。天気が良くて、木漏れ日がきれいで、麦わら帽子のにおいがして、こんな帽子持ってたっけ?と思った。先を行く人は白いシャツを着てて、顔は見えないけどなぜか知…

そして夏

昼寝から起きて、喉が渇いたので水を飲もうと思った。水道水はぬるいので冷蔵庫のお茶を飲もうと手をかけたところで、昨日飲みきってしまったことに気がついた。キンキンに冷えたものを体に入れたくて、太陽に照らされながら近くの薬局まで出かけた。お茶か…

雑記2

今週が終わったら、夏休みになったら、進級できなかったら。影のようにいつもそばにいて、くらくらするほど魅力的で、駅のホーム、階段、日常の一瞬一瞬で誘惑される。仕事に就いて、お金を稼いで、好きなものをたくさん買って、親孝行もする。想像もつかな…

無題

毎日が嫌になったって、三歩出歩いたら知り合いに会うこの街じゃ、変なことはできない。遠くに行きたいと思ったって、少ない小遣いじゃ隣町が精一杯。でも今日はどうしても何かいつもと違うことがしたくて、アイスティーにガムシロを入れてみた。ふよふよし…

いぬ

犬と結婚したいな。犬は言葉を喋れないから、かわいい。なんとなくの気持ちは分かるから、なんとなく付き合っていける。人間は言葉を覚えすぎたんじゃないかな。ライスシャワーの代わりにカリカリを浴びて、ふたり初めての共同作業は網戸壊し。指輪もドレス…

雑記

ここ最近何もうまくいかなくて、死ぬことばかり考えていた。漠然と、死ぬしかないと思っていた。いろんな死に方を考えたけど、飛び込みだけは嫌だと思った。痛そうだから。電車が来るその瞬間は飛び込んじゃおうと思うけど、やっぱり怖くて、その日もぼーっ…