子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

4/16

曇天を駆け回る雷をぼーっと見ていた。嫌でも感傷的な気持ちになる。

ドラえもんの声が代わってから19年というポストを二度見する。信じられなくてもう一度見る。年月が経つ速さを感じるにつけ、思えば遠くへ来たものだと唱えて考えないようにしていたけど、さすがに遠くに来すぎてしまったかもしれない。裸足にひっかけたクロックスに汗が滲んだ。来年のことが考えられないのは今も昔も同じだ。どうせすぐ辞めると思うことでしか日々を生きられない。そのままの君でいいと言ってくれた人は消え、生きてるだけでいいなんて言われて嬉しいか?と不思議がっていた昔の友達を思い出す。30も近くなってまだ自分の人生を引き受けられない。

また夜空が光って家に入る。好きなものしかないこの部屋も、逃げ出したい場所になってしまった。連れ去ってくれる誰かをずっと探している。