子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

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丸まって眠る犬に本当は全部分かってるんでしょ、とささやくと、犬はわずかに目を開けてまた夢の世界へと落ちていく。わたしが煙草を吸うことを、この家の中では犬だけが知っている。2人の時にしかしない話もいくつかある。普段は呼んでもこないのにそういう時だけはわたしのそばを離れない。

答え合わせは無くていい。明日もきっと同じ話をするから、ここにいてほしい。