子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

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絶対に欲しい車に出会ってしまった。そうか、天井がガラス張りの車に乗ったっていいんだ。本当になんでもできるんだ。

彼氏となかなか思うように会えない状況に痺れを切らして、「あと2年この状況が続くのは無理」と言ったらなんだか様子がおかしかったので電話をかけた。仕事でやられたところにわたしが将来のない話をしたことでとどめを刺してしまったらしい。とどめは刺してしまったけどそれを察知するわたしのバランス感覚よ、と思った。

彼氏はまあ激務に値するんだろうなという労働環境で、かといってブラック企業だ!すぐ辞めろ!とは言い切れないのが憎い。

働き始めて気づいたのは、彼氏とは仕事観がめちゃくちゃ合うということだった。それまでの人生がなんとなく似てたのもあるだろうか。優等生タイプでたまにちょっとやさぐれてみたりもするけどあくまで根は変わらない。そんなところが時々すごく嫌だけど結局そうやっていくしかなかった。多分同年代より少しだけ仕事ができて、その分上からの期待も大きく、それがしんどい。他人から見たら鼻持ちならない自慢に聞こえるかもしれないけど、このなんとも言えない嫌な感覚を少ない言葉で分かり合えるというのはかなり大きいように思う。

今日は話していて楽しかった。会えなくても触れなくても、少しずつ積み重ねていくしかないんだろうと思う。彼は自分が思ってるよりわたしのことが好きらしく、結構なことだと思った。少し話せただけで分かりやすく弾む声を聞くのがなかなか心地よくて、わたしも多分そうだと思うよとは今日は言わないでおいた。