子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

8/24

 

コロナウイルスの影響で都会での一人暮らしがまだ開始できずむくれている妹の愚痴を聞いていた。周りの友達はもう都市部に出てるのになんで自分だけということらしい。何を言ってもどうせ怒られるので黙っていたら怒られた。

楽園を持たないわたしにとってしかし一人暮らしができないつらさは分からない。姉という自分を、妹である彼女を、心底憎んでいるのに、気晴らしのドライブなんか提案して自分も少し楽しみにしている。姉に生まれたくなんかなかったのにきっちり姉をしてしまい、妹なんかに生まれたくなかったくせに親にも見せない顔でちゃっかり甘えてくる、わたしの、あなたの、わたしたちが、ずっとずっとずっと嫌いだ。