子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

8/12

 

家族で流れ星を見た。全員目が悪いので、その辺を飛ぶ蚊やホコリを星だと勘違いしてずっと騒いでいる。全員違う空の下にいる。同じ家で暮らしているだけの人間たちがたまたまここで星を見ていることがふと不思議に思えたが、そんなことを口に出してもどうせ聞き返されて終わるだけなので黙っていた。

明日古い友人と会うことになった。軽トラで迎えに来てくれるらしい。もう10年の付き合いになる。ずっと連絡を取り合っていたわけではないのに、なぜか縁が途切れない。普段は遠く離れていても違う人生の中でたびたび交わることが面白くて、そんなことを考えるのは星空を見たせいだと思った。