子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

8/13

 

10年の付き合いになる友人と飲みに行って喫茶店に行ってそれでも話し足りなくて1時間ほどドライブをした。車に乗っている時にふと話したことをずっと覚えていたりする。相手の目を見ないほうが言えることもたくさんあるということを、この人と一緒にいて知った。

いつも人格の核に触れるような話になる。互いの半生を知っていて、なんとなく似ていて、決定的に違って、何かあったら相談して、怒られて、怒って、そんな10年だった。何回か付き合ってみたこともある、でも元恋人なんて言葉に収まらないほど深く知っている。どうしてもうまくいかなくて大金を借りたこともあった。返さなくてもきみが不利にならないように、借用書は作らないよ。また元気に話すきみに会いたいからねなんて、そんなことを言ってくれる人がずっと前からこんなに近くにいた。

夜中に男女でドライブをして手も繋いでないなんて嘘みたいな話、お互いの恋人に理解されなくていい、理解してもらおうとも思わない、大切な友人。今夜も彼がよく眠れるといい。