子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

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過ぎ去った日々を思い出すことがあまりなくなった。最近は遠い将来のことをよく妄想する。現実からはいつでも逃げたくて、その行き先が過去から未来に変わっただけだ。会社なんかいつ辞めたっていい。バイトでもいい。自分の食い扶持が自分で稼げさえすればいいと彼氏と励まし合う。もうきみがいないと生きていけないのは嫌だと言えた。生き延びた先でまた会いたい。

何度も未来を思い出す。まだきみがいる。