子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

12/13

 

身一つでどこへでも行けるというのは魅力ではあるがあまり抑止力にはならない。いざとなったら好きな土地でバイトでもなんでもして暮らしていけばいいので、今その決断をせずに我慢している意味があまり感じられない。守るものがあると人は強くなれるってこれのことか。会社に不満しかないくせに子どもがいるからって転職できない上司たちを馬鹿にしていたけど、なるほどこれはこれで良いのかもしれない。この何者でもない浮遊感を落ち着けたくて結婚するのも分かる気がする。

とはいえまだしばらくは無敵のわたしでいるしかないので、眉をひそめられながらももう少し好き勝手やってみようかな。職場が嫌なだけで仕事が嫌いじゃないのが救い。辛くなったら辞めてどっか行っちゃえばいい。あの世とこの世の境が、今はあんまりない。