子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

深夜、ファミレスにて

怒り。

3人のデュエット。終わらない歌。道端の地蔵が喋る。あたたかいアイス。吠えない犬。水の無い海。そして空へ落ちる。

痴話喧嘩の果てに飛び込んだ海は生ぬるく、世界は優しい。ファミレスの机が広くて涙が出る。HBの鉛筆で文字を書く。こんなに尖っていては名前は書けない。紙がへこむほど押しつけた。


誰かの作った言葉でしか話せない。
誰かの作った文字でしか伝えられない。
ありふれていない言葉なんてない。
言葉は生まれて死ぬのなら、この気持ちはいつか泡になって消える。何万年だって変わらないと言い張っても、私が死ねば世界は滅ぶ。ここは私の頭の中でしかない。
誰が死んでも誰が生まれても誰と誰が愛し合っても私が死ねば終わり。全部副産物に過ぎない。

希望とか夢とか永遠とか、耳障りのいい言葉が流行る。分かりやすくて愛おしい。誰よりも愛を信じていたい。照らしてくれなくていい。影になってもいい。私を照らすのではなく、あなたが光だと教えたい。何を壊しても誰を殺しても、全て飲み込めるなら、私が闇になりたい。

 

私たちもまた、誰かの副産物だ。