子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

9/21

 

やっぱりこいつには自分しかいないんだなぁという、お互いの諦め。振り返れば思ったより長い時間を共に過ごしてきて、簡単にどちらかには振り切れないのだった。曖昧な感情すら許容しあって、また自分たちの新しい可能性を知る。結婚の前に付き合う以上のことがないのがもったいない。壁を両側から怒鳴りながら叩き合って、ふと冷静になってドアノブがついていることに気がつく。わたしたちはそういうふたりだ。まだ新しい扉を開いていける。騙し騙しという言葉でいいのかわからないけど、なんとかふたりでやっていく。