子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

無題

毎日が嫌になったって、三歩出歩いたら知り合いに会うこの街じゃ、変なことはできない。遠くに行きたいと思ったって、少ない小遣いじゃ隣町が精一杯。でも今日はどうしても何かいつもと違うことがしたくて、アイスティーにガムシロを入れてみた。ふよふよした光がアイスティーの中をただよって、グラスの底にぶつかる。ストローでかき混ぜるとふよふよがのぼってきて、またゆっくりゆっくり沈んでいく。このふよふよが素晴らしく甘いことを知っているから、綺麗だと思うのかもしれない。プールに潜ったとき、水中に射し込む太陽の光のように、ガムシロだけが光ってた。