子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

12/2

 

退職する先輩にあげるメッセージカードを書いた。誰に見られるか分からないから無難なことしか書けなかった。この先もう簡単には会えない人にも本当のことが言えないなら何のためにこんなに言葉を愛しているんだ。してきたことの報いだろうけど、本当に何の意味もない関係だったということなんだな。遠く離れた街へ行ってすぐにわたしのことを忘れてくれていいし、わたしもさっさと忘れてあげるから、誰かに見つかる前にどうせすぐ捨てられるカードにだけは本当の気持ちを書きたかった。

会ってる時はいつも楽しくて、同じだけ寂しくて、大好きだった。でももうこれで寂しい夜に、どうにもならない気持ちに、先のない関係に、傷つけられることがなくなるんだと思うととても安心した。

引っ張られるほうが光だと信じて、目を閉じて耳を塞いでただ進むだけだよと薄闇の中で呟いていた横顔を、たまには思い出してやってもいい。

 

深夜高速/フラワーカンパニーズ

https://youtu.be/uAXibMc74oY