子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

続 私信

いつかたどり着いたら読んでほしい。 逃げてばっかの2年間だった。 理由はいろいろあったけどやっぱり大学に落ちたこと、そして留年したことが大きいと思う。きっとどうしたって生きてはいけるんだろう、私の人生なんだから誰にどれだけ迷惑かけたっていいん…

私信

ここが終着点かもと思う。騙し騙し走ってきたけどついに車輪が止まりそう。きっと初めからずっと止まりたかった。君がいると決心が鈍る。生きていけるかもと思ってしまう。一人の夜はいつもより寒いけど、なぜかほっとする。苦しみも後悔も全部私のものにで…

これはほとんど 続

昨日の記事の続編。思い出話です 中学に上がると、本を買うということを覚えた。初めてお小遣いをもらい、最初に向かったのは本屋だった。月に1,2回、学校が終わると路線バスに乗り、駅にある大きい本屋に通っていた。駅前の大きい本屋には読みたい本がたく…

これはほとんど

昔はよく本を読んでいた。一番読んでいたのは小学生の頃だと思う。朝学校に着いたらまず図書室に行き、その日読む本を借りる。2時間目が終わるころには朝借りた本はもう読んでしまっていて、20分の長い休み時間を使って図書室に行く。また違う本を借り、昼休…

好きな食べ物

チョコミントが好きだった。 その前はジンジャーエールにはまっていた。 今は暇さえあれば素焼きのアーモンドをずっと食べている。いつ過去形になるだろう。 一人暮らしを始めてから、食べたいものを食べたいだけ食べられるようになった。深夜にカップラーメ…

備忘録あるいは夢日記

初めて恋人に自分の散文を見せた。その時の備忘録。 出来事ではなくて、感情の。 詳細は省くが、先月有志でそれぞれの作品を持ち寄る小規模な展覧会をやった。主催者に個人的に誘われて、それがたまたま大晦日で、なんとなく浮き足立った世間の空気がそんな…

生ぬるい風に頬を撫でられて、春の終わりに気付いた。家に帰ってTシャツを引っ張り出してみた。去年洗濯をしすぎたのかどれもこれもぶかぶかで、着てみたらお兄ちゃんのお下がりをもらった中学生のようになってしまった。とがった肩に、真っ平らな胸。もと…

同情するなら 7

(これはnoteに載せた記事を加筆・修正したものです) 塾でアルバイトをしていると、いろいろな子に出会う。成績がいい子も悪い子も、勉強が好きな子も嫌いな子も、ほんとうに様々な子がいる。その様々な子たちが、親の意向か本人の意志かは知らないが、塾と…

打ち上げ花火 6

打ち上げ花火を見た。 風のない、晴れた日だった。 人々の熱気を物ともせず、突然始まった。 火の玉が上がって花が開くまでの沈黙は長いように見えて一瞬で、それまでの暗闇のことなど忘れてしまう。花火を見上げる人の横顔はいつになく輝いて、この顔を見下…

宅配便 5

宅配便を待っている。 すごく欲しいものだった。すごく欲しかったはずなのに、それが何だったかを忘れてしまった。ただずっと待っている。 そんなことばかりの人生だった。 いつか誰かが迎えに来てくれるはずだ。一瞬で世界が変わるほどの何かを持ってきてく…

フィルムケース 4

祖父の車のドアポケットに、朝顔の種が入っていた。 このあいだ帰省した時に久しぶりに祖父の車に乗って、ドアを閉めようとドアポケットの中に指先を入れたら、たくさんの丸い粒に触った。よく見たら朝顔の種だった。なんでこんなところに種があるのか、聞け…

大人な子ども 3

(これはnoteに載せた記事を加筆・修正したものです。) 高校3年生の時、街頭でインタビューを受けた。選挙権が18歳まで引き下げられることを受けて、「競馬」「飲酒」「煙草」の許可年齢も18歳まで引き下げることに賛成かというアンケートだった。一緒にい…

愛しさと切なさと 2

実家に住んでいた頃、晩ごはんを食べた後に父とふたりでニュースを見る時間があった。あった、と言ってもちゃんとニュースを見るのが家族の中で父とわたしだけだったので、いつもふたりで見ていた。話上手な父親は世界情勢や政治についていつも分かりやすく…

人気ブロガーになりたい 1

突然ですが、人気ブロガーになりたい。人気ブロガーになりたい1ってタイトルだけど、人気ブロガーになりたい2があるわけではないです。今日から毎日ブログを更新するにあたっての通し番号です。かっこいい通し番号のつけかたを知らないので1からゆっくり数え…

まぶたの奥で

気がついたら夏だった。 肌にじっとりまとわりつくような暑さで、蝉の声が遠くで聞こえている。天気が良くて、木漏れ日がきれいで、麦わら帽子のにおいがして、こんな帽子持ってたっけ?と思った。先を行く人は白いシャツを着てて、顔は見えないけどなぜか知…

そして夏

昼寝から起きて、喉が渇いたので水を飲もうと思った。水道水はぬるいので冷蔵庫のお茶を飲もうと手をかけたところで、昨日飲みきってしまったことに気がついた。キンキンに冷えたものを体に入れたくて、太陽に照らされながら近くの薬局まで出かけた。お茶か…

雑記2

今週が終わったら、夏休みになったら、進級できなかったら。影のようにいつもそばにいて、くらくらするほど魅力的で、駅のホーム、階段、日常の一瞬一瞬で誘惑される。仕事に就いて、お金を稼いで、好きなものをたくさん買って、親孝行もする。想像もつかな…

無題

毎日が嫌になったって、三歩出歩いたら知り合いに会うこの街じゃ、変なことはできない。遠くに行きたいと思ったって、少ない小遣いじゃ隣町が精一杯。でも今日はどうしても何かいつもと違うことがしたくて、アイスティーにガムシロを入れてみた。ふよふよし…

いぬ

犬と結婚したいな。犬は言葉を喋れないから、かわいい。なんとなくの気持ちは分かるから、なんとなく付き合っていける。人間は言葉を覚えすぎたんじゃないかな。ライスシャワーの代わりにカリカリを浴びて、ふたり初めての共同作業は網戸壊し。指輪もドレス…

雑記

ここ最近何もうまくいかなくて、死ぬことばかり考えていた。漠然と、死ぬしかないと思っていた。いろんな死に方を考えたけど、飛び込みだけは嫌だと思った。痛そうだから。電車が来るその瞬間は飛び込んじゃおうと思うけど、やっぱり怖くて、その日もぼーっ…

重ければ重いほどいいと信じている。 立て続けに心に負荷がかかって、壊れかけてしまった人がいた。仲良くしていたけど自分にできることは呼び出されて話を聴くくらいしかなかった。その目が何を見ていたのかは、煙草の煙でよく見えなかった。 焦ってしまっ…

ガラス編

最近短歌を詠むことより文章を書くことにはまっていて、突発的に、人の短歌を文章にしたり、文章を短歌にしてもらったりする企画を思いつきました。第一弾は.原井(根本博基)さん(@Ebisu_PaPa58)と!『布』と『ガラス』という2つのお題を決めて、『ガラス…

夢から醒めた夢

朝、目を開けた瞬間に直前まで見ていたはずの夢をすっかり忘れていることがある。思い出そうとするけれど誰が出てきたのか、何があったのか全く思い出せない。そんなにゆっくりもしていられないのでモヤモヤしたままベッドから出る。支度をするうちにそんな…

ゆゆきちゃんの小説を読んだ話

最初に断っておくと、これは全く彼女に頼まれたわけではなく、すべて私が勝手に書いたものである。 ‪おとといくらいに飴町ゆゆきちゃん(@canDuuky )の小説を読んだ。小説を書いてるらしいことは知ってたけど、どこで書いてるのかは知らなかった。この前た…

290124

ずっと何かを探している。 一晩中部屋の中で息を潜めていたら、油断した月が居眠りをした。起こさないようにドアを開けて、白い息を吐きながらコンビニに向かった。 どうしようもない虚しさを紛らわせるものを探して、店内をさまよう。ミンティアはもう食べ…

流した涙だけが透明

中学生の頃から京都に憧れていた。きっかけは森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」という小説だった。物語もさることながら、軽快な筆致で綴られる京都の街に魅了された。京都のことは全然知らないけど、絶対京都で大学生活を送りたいと思った。わたしの熱烈…

愛のこと

愛のこと。愛のことについて考える夜は、いつも寒い。単に人肌が恋しいのかもしれない。布団の中で丸まってぶるぶる震えながら書いていると言えば詩的だがそんな忍耐力はなく、あっさりエアコンをつける。こたつもつける。ついでにあったかいお茶も入れる。…