子守唄

ねんねんころりよ おころりよ

2024/02/27

爆風スランプの大きな玉ねぎの下でという曲名をラジオのお便りで初めて知って、その次の日にまたテレビで見かけた。インパクトのある曲名だったので覚えていた。2回連続だったので気になって聴いてみたら武道館がテーマの曲で、東京に住んでいないのにそれが武道館の曲だとすぐ分かったのは、先週人生で初めて武道館にライブを見に行って同じことを思ったからだった。こういう偶然がたまにある。何の得をしたわけでもないけれど、生きてるってすごいなといちいち思う。意味があってもなくてもいい。こういうことをいちいち覚えていたい。

2024/02/25

どうでもいい夢ばかり見る。

人生を賭けた恋があっけなく終わってしばらく経つ。もう少し未練が残る予定だったが、驚くほどスッキリした気持ちの日が続く。通勤中の車内で、仕事終わりの風呂の中で、夜中のベッドで、いきなり号泣することもぱたりとなくなった。そうか。じゃあ良かったね。他人事のように思う。

人間はともかく、愛された記憶だけがなかなか消えなくて困る。昔言われたことを似たようなシチュエーションでふと思い出すと、さすがに一瞬胸が詰まる。仕方ないよ、と唱えて切り替える。仕方ないよ。あんなに好きだった人はもうどこにもいないから。

春はいきなり記憶の蓋が開くからよくない。不意に突き飛ばされたように思い出してしまう。思い出すことも忘れて私の一部になってしまったこともきっとたくさんある。それをギフトとは呼ばないけど、仕方ないから抱えて歩く。私は私と別れることはできないと泣いた日もあった。隣にいた人はもういない。私はここにしかいない。

2023/10/01

他人を信じてたつもりだったけど、いざ裏切られたら最初から信じていなかったような気がしてきた。いやそんなことはないけど、他人を信じてる自分を信じてもいた。二重に裏切られた気持ち。

秋風をたまに感じるようになり、毎年秋から冬はメンタルの調子が悪くなることを思い出す。秋は憂鬱だ。金木犀の香りがあまり好きではない。ある日を境にいきなり日が短くなり、また落ち込む。冬至まで息を潜めて暮らす。とてつもない寂しさに襲われて出会い系サイトを夜な夜な徘徊する。今すぐ誰かと話さないとおかしくなりそうな夜。

橘いずみの「失格」を繰り返し聴いている。夏の終わりを歌った曲は辛くなるのであまり聴かない。

明日が来るより怖いことを探す方が難しい。

12/20

仕事が終わって携帯を見ると、暗黒の学生時代を過ごした灰色の街から不在着信が入っていた。一瞬まさか大学か!?まだ何か用があるのか!?と身構えたけど、調べたら眼鏡屋だった。全く心当たりはないけど一応折り返してみた。1回なら間違いかなと思うけど2回かかってきてたから何かあるのだろうと思ったのだ。

さっき2回ほどお電話をいただいたようなんですが、と切り出すと名前を聞かれて、絶対違うんだけど、と思いながらも名乗ると、あぁ!〇〇さんね。眼鏡ができましたというご連絡でした。と言われた。

戦慄である。わたしの苗字は全国何百人くらいしかいなくて、今まで親族以外で同じ苗字の人に出会ったことがない。200キロも離れた街の眼鏡屋で遭遇するのはあまりにも怖い。心当たりがない旨伝えると、電話番号がこれなんですが…ともう10年使っている電話番号をスラスラと言う。思わず小さい悲鳴が出た。いや違います、いや〇〇ではあるんですけど、番号もそれなんですけど、でも違うんですと繰り返すと優しそうなおばちゃん店員もだんだん状況が分かったようであった。でももうお互いパニックで、どうしていいか分からず、ごめんなさいとかありがとうとかモニョモニョ呟いて電話を切るしかなかった。

今思えばせめてその人のフルネームを聞けばよかったけど、聞いたところで何かが分かるわけでもない。多分わたしではないのだから。多分?いや、確実に?

電話をかけたのは職場の駐車場だったのに、不意にどこか別の世界へ繋がってしまいそうな、足元がぐらつくあの感覚をまだ覚えている。

12/19

彼氏に「君は毎年違う場所にいるね」と言われて笑った日のことを思い出した。やっぱり?そうだよね?と思った。頑張ってる証拠だよと言われて、それは自分でも全然分かってたけど嬉しかった。

母親とご飯を食べに行って、彼氏の話になって、「あんたは彼氏くんに相当救われてるよね〜」と言われてびっくりした。彼氏のところに家出した時なんて今すぐ勘当しそうな勢いでしたやん!と思ったけどもうそれから3年も経ったんだった。あいつのこと絶対手放しちゃだめだと思ってんだよね。と言うと母はかなり力強く頷いていた。

巻き爪が痛くてどうしても今日中になんとかしてほしくて駆け込んだ専門の治療センターで2万円取られたことを、2週間経った今もかなり根に持っている。巻き爪は軽度だったのかかなり改善した。

今日一瞬だけ雪がちらついたのを見てしまった。今週頑張ればもう冬休みだ。

11/1

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去年の自分が言っていたことを見て、ほらねと思う。やっぱり今年も、去年とは全然違う場所にいた。

去年の自分が思ってもいなかったこととして、まず仕事を変えた。そしてもう一つ、新しい挑戦を始めた。5年ほどかかる長い挑戦を始める決意ができたのは、仕事を変えて心身ともに余裕ができたからだった。それを見越して転職したわけではないので、全く予想もつかないことだった。口に出すのも憚られる途方もなく大きい挑戦だけど、1歩踏み出せた自分が誇らしい。今はまだそれでいい。

去年書いたときは半信半疑だったけど、やっぱりわたしはなんでもできるみたいだ。

 

何もできなかった時間が長すぎて、必死で取り返そうとしているんだと思う。もう20代後半になってしまったと焦る気持ちもたくさんあるけど、それ以上に楽しみであると思えるのはなかなかいい人生だ。 

 

彼氏がお祝いに来てくれてパーティをして、帰りに「来年の誕生日はどこで祝ってるんだろうね」と言われた。どこで祝おうか、ではなく、どこで祝ってるんだろうねと言われたのがすごく嬉しかった。2人とも来年のことすら予想もつかない人生で、でも同じ船に乗っている。

 

また来年会いましょう。挑戦して諦めて投げ出して、それでもまたやってみよう。

ずっとこのわたしで生きていくしかないという事実が、今日だけは光っている。

7/17

やっと心療内科に行けたけど案の定わたしは病気じゃなかったので全部自分で引き受けるしかなくなった。話を聞いてもらってお金を払って爪の先ほどの錠剤をもらうのは健康ではないし、健全ですらない。歩き疲れたので休みたいです。あんなに欲しかった自分の城がなくなるから辞められない。あんなにやりたかった自分だけの生活が立ち行かなくなるから辞められない。却ってよかったのだろうか。結婚したら辞められるかもと1ミリでも思ってしまううちには結婚したくない。自分だけの城だったものの中で死んでいくほうが真摯に思う。宝物が何もなければよかった。浮かぶ顔がひとつもなければよかった。